嘘をつく、その瞬間。

「っ、な、んで!?

コイツは、龍蝶を裏切ったのよ!?」

そう、目に涙を溜めてヒステリックになる女。

「……正直。

どうでも良いのよ、龍蝶の事なんて。」

確かに、良い奴等だけれど。

頭の中には、1ミリも入ってないわ。

「なっ、」

……心華に、悪い言い方をしてしまった。

だけど、これが私の本心。

「あんた、姫何でしょう!?

龍蝶の事、考えられないの!?」

キッと、鋭く睨み付けられる。

姫……?

「私は、姫なんかじゃないわ。」

「じゃあ、何なのよ!」

「……良く言えば、本当の姫のついで。

悪く言えば、どうでも良い存在。」

そう、聞くと女達は苦しそうに顔を歪めた。

最初、“仮だけど、姫”なんて言っていたけど。

あんなの、満更でもない。

龍蝶にとって、私はどうでも良い存在。

逆に、邪魔な存在。
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