嘘をつく、その瞬間。

首を絞められた様に苦しい。

どうしてだろう。

心華は、私のことがずっと嫌いだったのかな。

そう、考えるだけで泣きたくなる。

『───好かれて何でも出来て。』

その言葉にハッとする。

じゃあ──────。

好かれなきゃ良いって事よね?

私が、皆から嫌われれば心華は私の事を好きになってくれる。

だけど、どうすれば嫌われるんだろう。

そう言えば、好かれていたことも知らなかった。

考えても、案が出ない。

心華のことなのに。

────あぁ。

私、怖いんだ。

分からないから怖いんだ。

自分が可愛いから、怖いんだ。

…だから。

心華に嫌われたんだ。

そうに、違いない。

じゃあ、私はどうすれば良いんだろう。

───心華に、好かれるには。

*碧奈side end*

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