嘘をつく、その瞬間。
*心華side*
───羨まし、かった。
何でも出来て、慕われる親友が。
容姿、頭脳、運動。
全て、完璧と言っても良いくらい凄かった。
だからか、自然と人も寄ってきて顔が広かった。
それが、自慢で憧れて。
────妬ましくも、思った。
だけど、本人は別にどうでも良いと言うかの様だった。
嫌いでは、なかった。
だけど、醜い私はアオの事を妬ましくなった。
それは、お米の様な小ささから大きな物へ変わっていった。
そう、“嫉妬”と“欲望”の塊だった。
嫌いじゃないんだけど、心のどこかにモヤモヤしてズキズキと痛む物が出来ていた。
「……好きでも、なかったのかな。」