嘘をつく、その瞬間。

「……。」

口を開かない由朔。

……姫は。

総長と、同じ地位に居る。

否……

「ゆう。」

総長より、上の絶対的“存在”だ。

「ゆう、貴方、今何やってるか分かってる?」

「……あぁ。」

ジリジリと、冷たい“何か”が襲う。

「……分かっていて、やってる。

貴方、人として最低よ?」

「っ、」

キツい言葉を並べるアオ。

いつも、そうだった。

キツい言葉を並べながら正論を、言うんだ。

「…皆の憧れ。

龍蝶の幹部が、こんな下らないことをやってるって知ったら────。

貴方、どうなると思う?」

鳥肌が立った。

アオが、怖い。

正論を、並べ反論できない様にする。

精神的に、追い詰めているんだ。


< 44 / 79 >

この作品をシェア

pagetop