嘘をつく、その瞬間。
「……。」
口を開かない由朔。
……姫は。
総長と、同じ地位に居る。
否……
「ゆう。」
総長より、上の絶対的“存在”だ。
「ゆう、貴方、今何やってるか分かってる?」
「……あぁ。」
ジリジリと、冷たい“何か”が襲う。
「……分かっていて、やってる。
貴方、人として最低よ?」
「っ、」
キツい言葉を並べるアオ。
いつも、そうだった。
キツい言葉を並べながら正論を、言うんだ。
「…皆の憧れ。
龍蝶の幹部が、こんな下らないことをやってるって知ったら────。
貴方、どうなると思う?」
鳥肌が立った。
アオが、怖い。
正論を、並べ反論できない様にする。
精神的に、追い詰めているんだ。