嘘をつく、その瞬間。
「さて…。
本題に戻るわね?」
「うん…。」
私は、軽く頷いた。
「……悔しい、と思わない?」
ピリッと空気が変わった。
小春さんが、笑顔じゃなくなったからだろうか。
小春さんの声が、低くなったからだろうか。
……。
「何が、です?」
分かっているのに、聞いてしまう私。
「ふふ、分かってるくせに。」
口角を上げて笑う彼女。
だけど、目は笑っていない。
それに、ゾッとした。
全身に鳥肌が立つ。
「……思い、ますよ。」
確かに、悔しい。
ギュッとスカートを握る。
シワがついて、くしゃくしゃになっている。