嘘をつく、その瞬間。
「え…。」
皆から、戸惑いの言葉が漏れ出した。
「心華…どういう意味だ…?」
竜也は、アイツは裏切り者なんだぞ?
そう言って私の目を見つめる。
「アオが、もし。
“裏切り者のレッテル”を貼られていたら?」
私は、小さな声で呟いた。
「もし、私や私達の為にしてくれた行動だったら?
それが、もしそうなら。
私達は、確実に後悔する。」
もう、迷わない。私は一人一人の目をしっかり見つめた。
皆は、口を開かない。広場は静まりかえる。
「私達って、凄く弱いよね。」
そう言って、私は竜也が持っている写真を持った。