嘘をつく、その瞬間。

「え…。」

皆から、戸惑いの言葉が漏れ出した。

「心華…どういう意味だ…?」

竜也は、アイツは裏切り者なんだぞ?

そう言って私の目を見つめる。

「アオが、もし。

“裏切り者のレッテル”を貼られていたら?」

私は、小さな声で呟いた。

「もし、私や私達の為にしてくれた行動だったら?

それが、もしそうなら。

私達は、確実に後悔する。」

もう、迷わない。私は一人一人の目をしっかり見つめた。

皆は、口を開かない。広場は静まりかえる。

「私達って、凄く弱いよね。」

そう言って、私は竜也が持っている写真を持った。

< 70 / 79 >

この作品をシェア

pagetop