嘘をつく、その瞬間。
「……由朔……。お願い。」
私は、一人向こうの由朔にお願いした。
「……俺は、認めない。絶対に。」
そう、顔を歪ませてはっきりと言った由朔。
「由朔……。」
それだけ、傷になってるんだろうか。
私は、由朔に近づいた。
「由朔、ごめんなさい。」
頭を下げて、またゆっくりと上げた。
由朔は、目を見開いて驚いている。
「でも、アオを助けてあげたいの。お願い。」
私は、由朔の目をしっかり見つめて口を開いた。
由朔だけじゃない、皆アオのことが好きだから。
由朔も、アオのことが好きでしょ?
すると、由朔はガシガシと髪の毛を乱暴に扱ってグチャグチャにした。
明るい髪色の由朔は、ニカッと輝く笑顔を見せた。