嘘をつく、その瞬間。

偽の裏切り者を仲間にする為に。


*碧奈side*

「……何しに来たの?

私は、裏切り者よ?」

目の前にいる人達を嘲笑い俯く。

土曜日。

珍しく家のチャイムが鳴ったと思ったら心華達だった。

「アオ……っ、」

私の親友だった心華は、目に涙を溜める。

「ふふ、そんな顔しないでよ。

ウザいから。」

───心華、心華。

私を叩いて、殴って。

会いたくない位、睨みつけるくらい……っ。

嫌いになってよ……心華が幸せにならないと、

私、約束……っ、守れないじゃない。

「アオっ……ごめん、ごめん、なさい……っ。」

何が?ねぇ、何を謝っているの?


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