嘘をつく、その瞬間。
心華は、驚いた顔をした。
「あ、お…。アオのママは…?」
「…だから、家に入れたくなかったのよ。」
──あまりにも殺風景なこの部屋。
生活感がない、と言っても過言ではない。
「ここに入ったら、バレると思って。」
「バレ、る…?バレるって何が…?」
私は、キッチンに入り紅茶を用意した。
「…まぁ、座って。お茶を用意するから。」
皆は顔を見合わせてソファーに座った。
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カチャリ、音がする。シン…っと静まり返っている部屋には大きな音だった。
「心華…今から話をするけど…。
落ち着けないかも…それでもいい?」
私は、心華を見た。心華は紅茶を見つめて頷いた。