嘘をつく、その瞬間。

心華は、驚いた顔をした。

「あ、お…。アオのママは…?」

「…だから、家に入れたくなかったのよ。」

──あまりにも殺風景なこの部屋。

生活感がない、と言っても過言ではない。

「ここに入ったら、バレると思って。」

「バレ、る…?バレるって何が…?」

私は、キッチンに入り紅茶を用意した。

「…まぁ、座って。お茶を用意するから。」

皆は顔を見合わせてソファーに座った。

**

カチャリ、音がする。シン…っと静まり返っている部屋には大きな音だった。

「心華…今から話をするけど…。

落ち着けないかも…それでもいい?」

私は、心華を見た。心華は紅茶を見つめて頷いた。

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