嘘をつく、その瞬間。
───私にとって、心華は神様のようだった。
「碧奈ちゃん!」
小学生の頃、話すことの苦手な私は友達を作れずにいた。
だけどある日。一人の女の子が声をかけてくれた。その女の子が心華だった。
1年生の頃の心華は、クラスの皆から人気者だった。羨ましいほどに。
そんな人が私に声をかけてくれた。心華が神様のように見えた。
それから、私達は仲良くなっていった。
───だけど、2年生になった時。
心華の家庭が崩壊していることを知った。
許せなかった。心華が虐待を受けているなんて。
服に隠れている痛々しい痕。
それが、私をイラつかせた。
───ある日、心華のママに誘われて心華の家に遊びにいった。