名は愛をあらわすっ!?


「俺の飛鳥ちゃんに男がいるなんて!もう俺は生きている意味がない!もう、どうでもいい!さようなら。」


間違いを起こしてはないだろうか?

気付いたら、男子トイレの前に立っていた。

ここは3階。

人に見られずに飛び降りる事が出来るのはトイレだけ。

この扉の向こうで。

良一が覚悟を決めていたら。

私は…。

私は…。

涙が溢れてくる。

良一…。

私を残して行かないで。

せめて。

せめて…。

好きと言わせて!


「良一!!」


勢いよく開けると、男子生徒2人が便器の前で立って、顔だけこちらに向けてポカンと口を開けている。


「あっ。」


静かに扉を閉める。


「失礼、しました…。」


完全に閉めると体中の力が抜けてその場で座り込んでしまった。

私とした事が。

妄想で暴走してしまった。

よりによって男子トイレを開けるなんて。


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