名は愛をあらわすっ!?
立ち止まった場所。
駐輪場だった。
良一が指差した方向を見ると自転車が置いてある。
「駅までとりあえず自転車で行けば大丈夫さ。」
「ライブの為に自転車乗って来てたんだ…。」
用意周到さに感心しながら呆然と立っているといきなり腕を掴まれた。
「ボーっとしてないでさっさと乗れよ。」
「いや、あの…、きゃっ。」
そのまま寄せられる。
「よっしゃあ!」
小学生の頃はよく良一の後ろに乗っていた。
近くの公園、図書館、共通の友達の家。
でも中学、高校になるにつれて、もう自転車に乗る事も無かった。
「しっかり捕まってろよ!」
自転車を横向きに乗って良一の腰に腕を回す。
「いくぞー!やっほー!!」
漕ぎながら無邪気に叫ぶ良一。
その大きな背中にそっと頬を当てる。