名は愛をあらわすっ!?
「はぁ~。」
この時、憂鬱な気持ちの第一歩となる初めてのため息を出した。
「もういいわよ。」
覚悟を決める。
「私の名前は、樋口明日香ですよ!」
言い切った途端、男子達が爆笑の渦に飲みこまれた。
「おい、樋口!お前、飛鳥ちゃんと同姓同名じゃねーか!」
「身の程知らずだな。」
「恐れ多いぞ!」
「身の程知らずって言われても、私は生まれた時から樋口明日香です!」
「だからそれが身の程知らずなんだよ。」
「大体、そのスーパーアイドルって16歳でしょ?私より年下じゃない!向こうが勝手に同姓同名なだけじゃん!」
「何言ってんだよ!年齢なんか関係あるもんか!」
「そうだよ!可愛いから飛鳥ちゃんの方が本家に決まってるだろ!」
なんて無茶苦茶な言いがかりなんだ。
「ちょっと、あんた達、いい加減にしなさいよ!」
見かねた他の女子達が男子達を睨みながら助けてくれる。
「明日香、大丈夫?」
クラスメイトの1人が声を掛けてくれる。
「うん、大丈夫。ありがと。」