名は愛をあらわすっ!?


★☆


保健室。

普段は保健室なんて少々の怪我でも行かないのだが、今日はクラスに居ても楽しくないので、午後の授業を休んで保健室のベッドをお借りしていた。


「しかし、何という不運が訪れたんだ。」


人気アイドルと同姓同名なんてなかなか巡り会わないと思う。

まして予期出来るものではない。


「自分が劣っている事なんて自分が一番分かってますよーだ。」


ベッドで布団を被って叫ぶ。

自分で言うのも何だが、顔はそれほど悪くないと思う。

しかし、テレビに出ているアイドルと比べられるとなると別だ。

しかも、100年に一度?のスーパーアイドルらしい。

そんなもの、普通の公立高校に通う女子高生が勝てるわけがない。


「名前が同じってだけでこれから比べられると思うと…。」


ため息もつきたくなるものである。


「それにしても…。」


そのスーパーアイドルを見た事がない。

折角なので顔を見たくなった。


「しまった、携帯、教室の鞄の中だ。」


仕方がない、またの機会に顔を見ようと思った時、保健室の扉が開いた。


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