名は愛をあらわすっ!?


「…ハイ。」


涙目でか細く答える飛鳥ちゃん。


「広子って名前がダサいとか、しょーもないとか、くだらないとか、昭和じゃん、とか、そんな事言ったらダメ!」


「…そこまでは思ってないです。」


「いい?苗字は結婚したら変わるけど、名前は一生同じなの。もっと大切に考えなきゃ。」


「…ハイ。」


「分かってくれたらそれでいいの。」


私は掴んでいた胸ぐらを離して酷い事してゴメン、と謝った。

飛鳥ちゃんは首を左右に振る。


「そうですよね。私、間違ってますよね。やっぱり明日香さんで良かったです。」


「何が?」


「相談した相手が。」


喜んでくれているが、私となんて飛鳥ちゃんと1歳しか違わない。

偉そうに言える人生を送っている訳じゃない。


「明日香さんが飛鳥のファンで本当に良かったです。」


正確に言うと私は樋口飛鳥のファンではありません。

良一に振り回されているだけです。

でも。

そんな事、ここで言うのもヤボだよね。


< 79 / 164 >

この作品をシェア

pagetop