名は愛をあらわすっ!?
「…ハイ。」
涙目でか細く答える飛鳥ちゃん。
「広子って名前がダサいとか、しょーもないとか、くだらないとか、昭和じゃん、とか、そんな事言ったらダメ!」
「…そこまでは思ってないです。」
「いい?苗字は結婚したら変わるけど、名前は一生同じなの。もっと大切に考えなきゃ。」
「…ハイ。」
「分かってくれたらそれでいいの。」
私は掴んでいた胸ぐらを離して酷い事してゴメン、と謝った。
飛鳥ちゃんは首を左右に振る。
「そうですよね。私、間違ってますよね。やっぱり明日香さんで良かったです。」
「何が?」
「相談した相手が。」
喜んでくれているが、私となんて飛鳥ちゃんと1歳しか違わない。
偉そうに言える人生を送っている訳じゃない。
「明日香さんが飛鳥のファンで本当に良かったです。」
正確に言うと私は樋口飛鳥のファンではありません。
良一に振り回されているだけです。
でも。
そんな事、ここで言うのもヤボだよね。