サイレント
F
one
「最近元気ないですね」
珍しく用事があって職員室へ訪れた樹里はそこにいた尾垣にそう呼び止められて足を止めた。
尾垣が「コーヒーいかがですか?今ちょうどいれる所なんで飲んでって下さいよ。インスタントだけど」と笑って樹里を自分の席に座らせて立ち上がる。
樹里は尾垣のデスクの上に体育でつけた短距離走の記録が置いてあるのを見つけてそれを眺めた。
ちょうど一のクラスのもので、ついつい一のタイムに視線が集中してしまう。
こんなことじゃいけないのに。
「あ、それ先週の授業のやつですよ。確か芹沢が結構調子悪くてイマイチのタイムだった」
コトリと記録用紙の隣に来客用のコーヒーカップが置かれて樹里は尾垣を見上げた。
尾垣は勝手に隣の席の教師の椅子を引っ張って来て背もたれの方を前にするように座った。
「金城先生知らないかもしんないけど俺陸上部の顧問なんすよ。今週末練習見に来ません?」
「え?」
「てゆうか一年の早瀬幸子引っ張って来て貰えませんか?あいつ、良く保健室行ってて金城先生には懐いてるみたいだから」
珍しく用事があって職員室へ訪れた樹里はそこにいた尾垣にそう呼び止められて足を止めた。
尾垣が「コーヒーいかがですか?今ちょうどいれる所なんで飲んでって下さいよ。インスタントだけど」と笑って樹里を自分の席に座らせて立ち上がる。
樹里は尾垣のデスクの上に体育でつけた短距離走の記録が置いてあるのを見つけてそれを眺めた。
ちょうど一のクラスのもので、ついつい一のタイムに視線が集中してしまう。
こんなことじゃいけないのに。
「あ、それ先週の授業のやつですよ。確か芹沢が結構調子悪くてイマイチのタイムだった」
コトリと記録用紙の隣に来客用のコーヒーカップが置かれて樹里は尾垣を見上げた。
尾垣は勝手に隣の席の教師の椅子を引っ張って来て背もたれの方を前にするように座った。
「金城先生知らないかもしんないけど俺陸上部の顧問なんすよ。今週末練習見に来ません?」
「え?」
「てゆうか一年の早瀬幸子引っ張って来て貰えませんか?あいつ、良く保健室行ってて金城先生には懐いてるみたいだから」