サイレント
職員室へ鍵を取りに行っただけのはずの尾垣は随分と時間が経ってから駐車場に姿を現した。
「遅い!」と早瀬が文句を言う。
「悪い!途中で野球部の奴らに会ってさ。後二人一緒に行くことになったから先車乗ってて。多分すぐ来る…あ、来た」
そう言って職員玄関を振り返った尾垣は出て来た生徒に「こっち!」と手招きした。
学校指定のジャージに白いスポーツバッグを肩から下げた男子生徒がこっちへやって来る。
一人が樹里に気付いて一瞬足を止めた。真っ黒な瞳が驚いたように少しだけ大きく開かれる。
「芹沢と相沢、後早瀬は後ろ乗って。金城先生は助手席にどーぞ」
こんなに近くで一を見るのは久々だった。
相沢が「うっそ!金城先生もいんの?!」と跳びはねて勢いよくワゴンに乗り込む。
後に続く早瀬、一はなんだか微妙な面持ちで後部座席に座った。樹里も緊張しながら助手席に腰をおろす。
「んー。何か珍しいメンバーになったけど、まあたまにはいいか」
ご機嫌にハンドルを回しながら尾垣は車を発進させた。
「遅い!」と早瀬が文句を言う。
「悪い!途中で野球部の奴らに会ってさ。後二人一緒に行くことになったから先車乗ってて。多分すぐ来る…あ、来た」
そう言って職員玄関を振り返った尾垣は出て来た生徒に「こっち!」と手招きした。
学校指定のジャージに白いスポーツバッグを肩から下げた男子生徒がこっちへやって来る。
一人が樹里に気付いて一瞬足を止めた。真っ黒な瞳が驚いたように少しだけ大きく開かれる。
「芹沢と相沢、後早瀬は後ろ乗って。金城先生は助手席にどーぞ」
こんなに近くで一を見るのは久々だった。
相沢が「うっそ!金城先生もいんの?!」と跳びはねて勢いよくワゴンに乗り込む。
後に続く早瀬、一はなんだか微妙な面持ちで後部座席に座った。樹里も緊張しながら助手席に腰をおろす。
「んー。何か珍しいメンバーになったけど、まあたまにはいいか」
ご機嫌にハンドルを回しながら尾垣は車を発進させた。