サイレント
大悟と祥子の予定が合わなくて遊べないことはしょっちゅうで、けれどそんなコトはお互い慣れっこだった。
毎日教室で顔を合わせているし、家が隣同士なので会おうと思えばいつだって会える。
大悟とのそんな付き合いが祥子にとって楽で有り難かった。
「じゃ、またね」
まだ何か言いたそうにしている大悟を残して祥子は皆の待つ教室へと戻った。
結局芹沢に姉などいなかったという返答は予想以上に話題を盛り上がらせた。
「じゃああれ、誰だったんだろう」
愛が言う。
「何?つか詳しく話してよ。さっぱり状況が掴めないから」
美佐子が急かすように言った。
「あのね、先週大学病院前の図書館行ったんだけど、そこに芹沢くんがいたんだよね。年上の女の人と一緒で、仲良さそうだったから」
「年上って?高校生くらい?」
「ううん。もっと、大学生とかそんな感じ。お姉さんじゃなかったら誰だったんだろう」
祥子は干し梅をちびちびとかじりながら芹沢を盗み見た。
次の授業の予習だろうか。芹沢は辞書を片手に英語の教科書を開いていた。
毎日教室で顔を合わせているし、家が隣同士なので会おうと思えばいつだって会える。
大悟とのそんな付き合いが祥子にとって楽で有り難かった。
「じゃ、またね」
まだ何か言いたそうにしている大悟を残して祥子は皆の待つ教室へと戻った。
結局芹沢に姉などいなかったという返答は予想以上に話題を盛り上がらせた。
「じゃああれ、誰だったんだろう」
愛が言う。
「何?つか詳しく話してよ。さっぱり状況が掴めないから」
美佐子が急かすように言った。
「あのね、先週大学病院前の図書館行ったんだけど、そこに芹沢くんがいたんだよね。年上の女の人と一緒で、仲良さそうだったから」
「年上って?高校生くらい?」
「ううん。もっと、大学生とかそんな感じ。お姉さんじゃなかったら誰だったんだろう」
祥子は干し梅をちびちびとかじりながら芹沢を盗み見た。
次の授業の予習だろうか。芹沢は辞書を片手に英語の教科書を開いていた。