サイレント
その音に反応して、男の子は壁に取り付けられているインターフォンに素早く飛び付いた。
「はいっ」
元気良く男の子が声を出す。男の子はぴったりと耳に受話器を押し付けていて、相手の声が樹里には聞こえない。
男の子はガチャン!とすぐに受話器を戻すと部屋を飛び出して行った。
玄関の開く音が聞こえ、続いて男の子の「おかえり!」という声が響く。
男の子と一緒にリビングに入って来たのは一だった。制服姿でスポーツバッグを肩から下げた一は樹里を見て男の子に二階の部屋へ行っているよう指示し、樹里の隣に座った。
「部活、休めなくてすいません」と言って一は頭を下げた。
「えっ。いいよ別に。どうせ暇だし。てゆか、家の人は?仕事で遅いの?」
「……」
「あ、それよりお金」
樹里はバッグに入れて来たお金を取り出そうとソファの上に置いていたバッグを掴んだ。
銀行の封筒に入ったお金を一に差し出す。
「はいっ」
元気良く男の子が声を出す。男の子はぴったりと耳に受話器を押し付けていて、相手の声が樹里には聞こえない。
男の子はガチャン!とすぐに受話器を戻すと部屋を飛び出して行った。
玄関の開く音が聞こえ、続いて男の子の「おかえり!」という声が響く。
男の子と一緒にリビングに入って来たのは一だった。制服姿でスポーツバッグを肩から下げた一は樹里を見て男の子に二階の部屋へ行っているよう指示し、樹里の隣に座った。
「部活、休めなくてすいません」と言って一は頭を下げた。
「えっ。いいよ別に。どうせ暇だし。てゆか、家の人は?仕事で遅いの?」
「……」
「あ、それよりお金」
樹里はバッグに入れて来たお金を取り出そうとソファの上に置いていたバッグを掴んだ。
銀行の封筒に入ったお金を一に差し出す。