サイレント
一が一人で帰れるはずはないとわかっていても不安になる。

樹里はようやく花火から目を逸らし、周りを見渡した。

帰っていく人々の波の中に一の姿を探す。

「ハジメくん?」

家族連れや友達連れの中に中学生もたくさんいるが一の姿は見えない。

樹里は車を停めた場所へと足を向けた。
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