サイレント
「……君がそう思いたいなら、そう思えばいーんじゃない?」

言って陽平は立ち上がった。グラスを持ってドリンクバーのサーバーへ行く。

カルピス、オレンジジュース、烏龍茶、ジンジャエール。

どれにしようか迷って結局さっきと同じ烏龍茶にした。

席へ戻ると樹里は窓の外をじっと見つめていた。

「結局君は一体何しにきたわけ?」

冷たい烏龍茶が喉を潤す。

「ハジメくんに、幻滅されに」

「ふーん?何で?」

「迷惑だから。毎週毎週人の職場に来て、うんざりなんです。いい加減にして欲しい。私に幻滅して嫌いになればもう周りをうろちょろされることもなくなりますから」
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