サイレント
ピンポーン
テツが帰ってしばらくするとチャイムが鳴った。
「はい」
とインターフォンに出てエントランスにいるのが鞠だと確認し、鞠をアパートの中に入れてやる。
そうしてまたすぐに次は玄関のチャイムが鳴った。
「わー。樹里さんの家に来るの初めてだー」
鞠は入るなり楽しそうに部屋の中を見回した。
「部屋綺麗にしてるんですね。はい、これケーキです」
そう言って鞠がケーキの入った箱を樹里に差し出したので、樹里は「ありがとう」と言って飲み物の用意を始めた。
冷蔵庫の中はビール、ワイン、テツの作った烏龍茶。
普段コーヒーを飲まない樹里はこういう時、お客さんに何を出すべきか迷ってしまうが、前に母親がくれた紅茶の葉っぱがあったことを思い出し、お湯を沸かした。
「そういえば樹里さん。あの男の子って樹里さんの家知ってるんですか?」
鞠が持って来てくれたケーキを小皿に乗せてテーブルに運んでいくと、鞠が唐突に言った。
「え、何で?」
樹里が聞き返すと鞠は少し困ったような顔をした。
「今さっき来る時に、アパートの前にあの子がいたんです」
テツが帰ってしばらくするとチャイムが鳴った。
「はい」
とインターフォンに出てエントランスにいるのが鞠だと確認し、鞠をアパートの中に入れてやる。
そうしてまたすぐに次は玄関のチャイムが鳴った。
「わー。樹里さんの家に来るの初めてだー」
鞠は入るなり楽しそうに部屋の中を見回した。
「部屋綺麗にしてるんですね。はい、これケーキです」
そう言って鞠がケーキの入った箱を樹里に差し出したので、樹里は「ありがとう」と言って飲み物の用意を始めた。
冷蔵庫の中はビール、ワイン、テツの作った烏龍茶。
普段コーヒーを飲まない樹里はこういう時、お客さんに何を出すべきか迷ってしまうが、前に母親がくれた紅茶の葉っぱがあったことを思い出し、お湯を沸かした。
「そういえば樹里さん。あの男の子って樹里さんの家知ってるんですか?」
鞠が持って来てくれたケーキを小皿に乗せてテーブルに運んでいくと、鞠が唐突に言った。
「え、何で?」
樹里が聞き返すと鞠は少し困ったような顔をした。
「今さっき来る時に、アパートの前にあの子がいたんです」