サイレント
「芹沢さん」と、先に一が呼ばれた。
立ち上がり、カウンターへと向かう一の背中を盗み見る。
筋肉質というわけではないけれど、中学の時よりがっしりとした広い背中だった。
薬を受け取ると一はこちらに向き直り、お先にとでも言うように頭を下げると樹里の横を通り過ぎて外へ出ていく。
「金城さん」
一がいなくなった先をぼんやりと見つめていると、すぐに樹里が呼ばれて慌てて立ち上がった。
いつもと同じ薬を受け取り、薬局の外へ出ると、通りの向こう側のバス停に一が立っているのが見えた。
コンクリートの地面から立ち上る熱気に思わず顔をしかめる。
一は体調が悪いのか地面にしゃがみ込んでしまった。
樹里はそんな一を見ながら横断歩道を渡り、車を停めてある市立病院の駐車場へ向かう。
確かこの辺りのバスは一時間に一本。
いつだったか、バスで病院に来て、帰る際に随分と待たされた記憶がある。
それ以来樹里は必ず車で通院することにしていた。
立ち上がり、カウンターへと向かう一の背中を盗み見る。
筋肉質というわけではないけれど、中学の時よりがっしりとした広い背中だった。
薬を受け取ると一はこちらに向き直り、お先にとでも言うように頭を下げると樹里の横を通り過ぎて外へ出ていく。
「金城さん」
一がいなくなった先をぼんやりと見つめていると、すぐに樹里が呼ばれて慌てて立ち上がった。
いつもと同じ薬を受け取り、薬局の外へ出ると、通りの向こう側のバス停に一が立っているのが見えた。
コンクリートの地面から立ち上る熱気に思わず顔をしかめる。
一は体調が悪いのか地面にしゃがみ込んでしまった。
樹里はそんな一を見ながら横断歩道を渡り、車を停めてある市立病院の駐車場へ向かう。
確かこの辺りのバスは一時間に一本。
いつだったか、バスで病院に来て、帰る際に随分と待たされた記憶がある。
それ以来樹里は必ず車で通院することにしていた。