サイレント
目の前の小さな背中が全力で一を拒絶していた。

身を引くのも樹里のためだと父が言っていたのを思い出す。

「後、一年」

本当に、今の自分の立場が樹里を苦しめるんだとしたら。

「卒業したらすぐに飛んでくるから。そしたら結婚して欲しい」

けれど、学生だからじゃなくて、本当に一のことを好きじゃなくなったんだとしたら。

「俺が好きじゃないって言うんだったら、卒業してからその時に俺のこと振って」
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