サイレント
two
今日の夕飯はオムライスと野菜のスープだった。
ちょうど玄関を開けると樹里が帰ろうとしていたのだが、一はそれを引き止め、三人で夕食を食べることにした。
何故引き止めたのか自分でもわからないが、多分、弟と二人きりになるとまた苛立って当たり散らしてしまいそうな自分が嫌だったのかも知れない。
樹里は多めに作っていたチキンライスに新しく一枚、それに乗せる卵を焼き、弟の隣に座った。
一旦家に帰って着替えて来たらしい樹里は薄いピンクのVネックのワンピースのようなTシャツに、色の薄いデニムというシンプルな服装で、さらに髪の毛をアップにしていた。
学校で見る姿とはまるで印象が違い、さらに若々しく見えた。
温かいオムライスはやっぱり優しい味がした。
「あ、兄ちゃん、お姉ちゃん洗濯もしてくれたよ。僕も干すの手伝ったんだ」
弟が思い出したように言って笑った。その笑顔はどこか誇らしげで、弟はすっかり樹里に懐いている様子だった。
一はベランダの横のガラス張りになった物干しスペースを見た。
溜まりに溜まっていた洗濯物がめい一杯という感じで干されている。
ちょうど玄関を開けると樹里が帰ろうとしていたのだが、一はそれを引き止め、三人で夕食を食べることにした。
何故引き止めたのか自分でもわからないが、多分、弟と二人きりになるとまた苛立って当たり散らしてしまいそうな自分が嫌だったのかも知れない。
樹里は多めに作っていたチキンライスに新しく一枚、それに乗せる卵を焼き、弟の隣に座った。
一旦家に帰って着替えて来たらしい樹里は薄いピンクのVネックのワンピースのようなTシャツに、色の薄いデニムというシンプルな服装で、さらに髪の毛をアップにしていた。
学校で見る姿とはまるで印象が違い、さらに若々しく見えた。
温かいオムライスはやっぱり優しい味がした。
「あ、兄ちゃん、お姉ちゃん洗濯もしてくれたよ。僕も干すの手伝ったんだ」
弟が思い出したように言って笑った。その笑顔はどこか誇らしげで、弟はすっかり樹里に懐いている様子だった。
一はベランダの横のガラス張りになった物干しスペースを見た。
溜まりに溜まっていた洗濯物がめい一杯という感じで干されている。