サイレント
家の中の湿度が一気に増したように額から汗が流れ落ちて来た。

まさか、嘘だろ?

「……好き」

予感は外れる事なく、樹里の声が一の耳に届いた。

今年1番の台風が今、やって来た。2番は母の失踪。

ふと、昼間の相沢の顔が脳裏に浮かんだ。

おい、相沢、何か大変なことが、起こってるぞ。
いい大人の女が、中学生のガキを好きだって。そんなの、ドラマでも見たことがない。
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