サイレント
樹里はその行動をあまり見ないようにしながらも、気になって視界の端で追ってしまう。
彼はカッターシャツのボタンを上から順に二つはずし、体温計を腋に挟んでいた。
BGMも何もない室内は奇妙なほどに静まり返り、樹里の心を落ち着かなくさせる。
そんな樹里の緊張の度合いを計ったかのように体温計の電子音が鳴り響いた。
彼は体温計をシャツの中から抜き取って樹里へと差し出す。
彼から距離を取って座っていた樹里は慌てて駆け寄り、それを受け取った。
彼が酷い咳をして身を屈める。
樹里は素早くデジタル表示された体温を読みあげた。
「37度3分。少し熱があるみたいね。どうする?帰る?」
出来れば家に帰って欲しいと願いながら樹里は彼に尋ねたが、彼はベッドに横たわりながら首を左右に振った。
「そう、じゃあしばらくここで休んでて」
言いながら樹里は彼にシーツをかけた。
たったそれだけの行為にも樹里の心臓は悲鳴を上げる。指先が震える。
そうしながらも樹里は彼と自分の歳の差を素早く計算していた。
彼はカッターシャツのボタンを上から順に二つはずし、体温計を腋に挟んでいた。
BGMも何もない室内は奇妙なほどに静まり返り、樹里の心を落ち着かなくさせる。
そんな樹里の緊張の度合いを計ったかのように体温計の電子音が鳴り響いた。
彼は体温計をシャツの中から抜き取って樹里へと差し出す。
彼から距離を取って座っていた樹里は慌てて駆け寄り、それを受け取った。
彼が酷い咳をして身を屈める。
樹里は素早くデジタル表示された体温を読みあげた。
「37度3分。少し熱があるみたいね。どうする?帰る?」
出来れば家に帰って欲しいと願いながら樹里は彼に尋ねたが、彼はベッドに横たわりながら首を左右に振った。
「そう、じゃあしばらくここで休んでて」
言いながら樹里は彼にシーツをかけた。
たったそれだけの行為にも樹里の心臓は悲鳴を上げる。指先が震える。
そうしながらも樹里は彼と自分の歳の差を素早く計算していた。