離れていても
内心では想像がついていた。

ドハはカッコイイ。
昔からわりとクラスでもモテていた。
明るくてスポーツ万能で人気者。

そんな彼をきっと新人さんは好きになってしまうだろう、と。

きっとドハは私の気持ちに気づいている。それなのに気づかないフリというか…
わざとその話は避けるのだ。

聞きたくない理由があるのかもしれない。
それか、私のことが大嫌いとか?

考えたくなくても頭で妄想が過る。


学校の帰り、買い物を商店街でしていた。

「あれ?今帰りなの」

声をかけられた。
振り返ると、黒い帽子にサングラス、日焼け防止の黒い手袋まで。

本当に誰だかわからなかった。

私よ!と笑いながらサングラスを外してやっと彼のお母さんだと気づいた。

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