金曜日の放課後、君と。
***
「ねえ、ひなはそれでいいの?」
奈美の瞳が私を捉える。
夕暮れ前の帰り道。
髪をなびかせる風が気持ちいい。
「えっ何が??」
「先輩のことに決まってんでしょ!ほんとに諦めるの?」
「…うん。諦めるよ、わたし何回も言ったじゃん!奈美何回聞くの〜 あははっ」
「ほんとに?諦められるの?わたしには無理してるようにしか見えないんだけど」
"諦められるの?"
奈美のその一言が頭に響いて、わたしはなぜか泣いていた。