エルドラドステージ
「皆さん、お疲れでしょう?こちらに来てひと休みなさいよ」

三人がアルカディアに来て半年、国内調査は続いていた。
というのも、そもそも調査をする理由はアルカディアを知ること。すなわち足で国内を周り、自分たちなりの見解を深めなければならない。さらにここでは働かざる者食うべからず。ついでに樹木の生息調査もするようにとカイザーからのお達しだ。
特にこのエリアは樹木が多く、中心産業は果樹園で種類も多い。

三人は調査の間、適当な家に世話になっていた。アルカディアの住人は皆、お互いに優しい。
三人が世話になっているケイコという娘は、毎日一定の時間になるとこうしてお茶の時間を用意してくれる。

「ケイコちゃん、ありがとう☆」

砂漠ではあまり女性に出会わないため、よく知らなかったことだが、登は女性…というか、母性に対する扱いがうまい。逆に武はどう接していいかわからないようで、いつも少し離れたところでひと息つくのだった。

武は「こっちにいらっしゃいよ」とケイコに促されてやっと近くに座るのだが、そんな時必ず誰よりもケイコの横を陣取るのがおかしかった。

「見え見えなんだよなw」
そう言って登と章が席を外すのがお約束になっていた。


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