エルドラドステージ
近づいていくと、いつも奇妙に感じてしまう景色がそこにあった。
ずいぶん前に人間が棄てたらしい町。
建物は200年ほど前の造りのようだ。
もっとも100年ほど前―世界大戦が始まったころだろうか―
このころからひと所に留まる人間はほとんどいなくなったため、こうした建物は必要なくなったのだが…。
3人は手近にある民家に入っていった。
目的はアトマイズ。
この先、生きていく限り常に手に入れておかなければならないものだ。
でかい戦争をしてるエライ奴らが何を求めてるのかはわからないが、彼ら民衆に必要なのはこれなのだ。
このひと粒のために全ての人間が敵になる。
「ラッキー♪あるぜあるぜ。ここ、最近まで小さい集団が根城にしてたな」
登と武はアトマイズをひとつ口に入れあちこちの引き出しを探っている。
「急に動かざるをえなかったんだな。何もかもがそのまんまだ。」
「…この町、なんで人がいなくなったんだろうな」
そばにあるコンピューターからブーンと電気が通る音がしている。
章はふとモニターのスイッチに触れてみた。
!!
モニターに映し出されたのは緑の木々に揺れる風。
外にある突き刺さるようなものではない優しい日差し。
大地には様々な肌色の、男も女も老人も子どももみんなが歌い踊っている。
その中心にいる女性が手にしているのは…ギターと呼ばれるアンティークな楽器だ。登の手にするマンドリンよりも少し大きく、もっと優しい音色をしている。
「…これは…なんだ?」彼らは生まれてから、こんなに美しい景色を見たことがない。
薄い緑の葉は太陽を浴びて潤おしく力強い。
聞こえる音は銃声でも雷鳴でもなくやわらかい。
何よりこんなに大勢の人が―しかも肌色が違うなんて!― みんなが微笑んでいるところなど信じられなかった。
ずいぶん前に人間が棄てたらしい町。
建物は200年ほど前の造りのようだ。
もっとも100年ほど前―世界大戦が始まったころだろうか―
このころからひと所に留まる人間はほとんどいなくなったため、こうした建物は必要なくなったのだが…。
3人は手近にある民家に入っていった。
目的はアトマイズ。
この先、生きていく限り常に手に入れておかなければならないものだ。
でかい戦争をしてるエライ奴らが何を求めてるのかはわからないが、彼ら民衆に必要なのはこれなのだ。
このひと粒のために全ての人間が敵になる。
「ラッキー♪あるぜあるぜ。ここ、最近まで小さい集団が根城にしてたな」
登と武はアトマイズをひとつ口に入れあちこちの引き出しを探っている。
「急に動かざるをえなかったんだな。何もかもがそのまんまだ。」
「…この町、なんで人がいなくなったんだろうな」
そばにあるコンピューターからブーンと電気が通る音がしている。
章はふとモニターのスイッチに触れてみた。
!!
モニターに映し出されたのは緑の木々に揺れる風。
外にある突き刺さるようなものではない優しい日差し。
大地には様々な肌色の、男も女も老人も子どももみんなが歌い踊っている。
その中心にいる女性が手にしているのは…ギターと呼ばれるアンティークな楽器だ。登の手にするマンドリンよりも少し大きく、もっと優しい音色をしている。
「…これは…なんだ?」彼らは生まれてから、こんなに美しい景色を見たことがない。
薄い緑の葉は太陽を浴びて潤おしく力強い。
聞こえる音は銃声でも雷鳴でもなくやわらかい。
何よりこんなに大勢の人が―しかも肌色が違うなんて!― みんなが微笑んでいるところなど信じられなかった。