エルドラドステージ
命のささやき
ある日のことだ。
珍しいものをお見せしましょう、とカイザーが三人を呼んだ。
そこは「国定公園」と綴られ、アルカディアの中心から遠く離れない場所であった。
住人の誰でもが入ることが出来るが、入るには受付で手続きを踏まねばならない。
ここはいささか厳粛でありながらも、自然そのままと言うよりは人間の手で森を整備したということをさりげなく、かつ明らかに見せる造りだった。
「なかなかいい雰囲気でしょう?なんとなく落ち着く気がしませんか?」
カイザーは足下の湿った土をふみしめるようにゆっくり歩きながら言った。
太陽の下のアルカディア。そこが本当は冷たい砂漠の下なのだとわかっていてもアルカディアには気持ちを優しく穏やかにするあたたかさがある。
それと相反するようにここは木々の影濃ゆい、思わず襟を正してしまうような厳しさを感じる。
しかしなぜだろう。ここにはアルカディアとは違った―紛れもなくアルカディアではあるのだが―懐かしい気がするのだ。
珍しいものをお見せしましょう、とカイザーが三人を呼んだ。
そこは「国定公園」と綴られ、アルカディアの中心から遠く離れない場所であった。
住人の誰でもが入ることが出来るが、入るには受付で手続きを踏まねばならない。
ここはいささか厳粛でありながらも、自然そのままと言うよりは人間の手で森を整備したということをさりげなく、かつ明らかに見せる造りだった。
「なかなかいい雰囲気でしょう?なんとなく落ち着く気がしませんか?」
カイザーは足下の湿った土をふみしめるようにゆっくり歩きながら言った。
太陽の下のアルカディア。そこが本当は冷たい砂漠の下なのだとわかっていてもアルカディアには気持ちを優しく穏やかにするあたたかさがある。
それと相反するようにここは木々の影濃ゆい、思わず襟を正してしまうような厳しさを感じる。
しかしなぜだろう。ここにはアルカディアとは違った―紛れもなくアルカディアではあるのだが―懐かしい気がするのだ。