エルドラドステージ
しかしやがて彼の周りは劇的な変化を遂げる。
地面からこみ上げる熱。空から注ぐ雨は彼の体を外から内からと容赦なく蝕んでゆく。
彼は耐え続ける。
すると今度は地面が栄養も水分も含まない砂に変わっていった。
遠くの方から少しずつ、少しずつ。
その頃からだ。
彼の周りにまた人々がやってくるようになったのは。しかし以前とは違い人間たちは彼の周りに集いはしない。
彼を見上げ、彼の姿に絶望し、時には彼の乾いた皮を剥いでしゃぶり、彼の足元に一度腰をかけてまた去ってゆく。
彼は何ひとつ変わっていない。ただ必死に生きてきただけ。周りが時代と共に変わっていくのを見ていただけなのだ。
見渡す砂漠のあちこちで銃声が聞こえる。
時折、彼の足下には死体が埋められた。それは乾いた大地に根をおろす彼にとってはありがたい栄養となった。
次第に彼の巨体は大きく傾きはじめる。
根を下ろしている大地が彼を支え切れなくなったのだ。
いくら大地を掴もうとしても、砂はさらさらと彼から逃げてゆく。
灼熱の太陽が根までを差しはじめた時だった。
地面からこみ上げる熱。空から注ぐ雨は彼の体を外から内からと容赦なく蝕んでゆく。
彼は耐え続ける。
すると今度は地面が栄養も水分も含まない砂に変わっていった。
遠くの方から少しずつ、少しずつ。
その頃からだ。
彼の周りにまた人々がやってくるようになったのは。しかし以前とは違い人間たちは彼の周りに集いはしない。
彼を見上げ、彼の姿に絶望し、時には彼の乾いた皮を剥いでしゃぶり、彼の足元に一度腰をかけてまた去ってゆく。
彼は何ひとつ変わっていない。ただ必死に生きてきただけ。周りが時代と共に変わっていくのを見ていただけなのだ。
見渡す砂漠のあちこちで銃声が聞こえる。
時折、彼の足下には死体が埋められた。それは乾いた大地に根をおろす彼にとってはありがたい栄養となった。
次第に彼の巨体は大きく傾きはじめる。
根を下ろしている大地が彼を支え切れなくなったのだ。
いくら大地を掴もうとしても、砂はさらさらと彼から逃げてゆく。
灼熱の太陽が根までを差しはじめた時だった。