エルドラドステージ
それから三人は幾度となく彼の元に訪れた。

彼と共に武はアルカディアの光を浴びた。

彼と共に登は歌った。

そして彼と共に章は生きる意味を探した。

「そこまでして生きていたいのか」

そこまで、の「そこ」とはどこなのだろうか。


気になるのは、彼の元を訪れる時、必ずと言っていいほどシュウの姿を見かけることだった。

三人は毎日同じ時間にここに来ているわけでも、一緒に来てるわけではなかった。

それなのに、来れば必ずシュウがいた。

初めは身を隠すように…いや、自分の神聖な場所が他人に踏み込まれないように、シュウは彼とだけ関わり、誰がやってきても彼のそばから離れた。

その時のシュウはカイザーや浩二やケイコの前で見るような幼児ではない。

少年の…少年から大人に変わる時期独特の不安定さが見え隠れした。

彼の前ではシュウは幼児ではなかった。


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