エルドラドステージ
厳しい選択の中、ひとつの決断が下された。
「エリアNW−0417国定公園内 重要保護樹木 GR−O−1の循環機器は、いかなる理由、いかなる役職の者であってもこれをを取り外すことは禁ずる。
また、これを犯した者は処分の対象となる。
処分の内容は、他アルカディア内法に基づく。」
アルカディア内法は、民衆一般向けには存在していない。
なぜならアルカディアには犯罪は存在しないからだ。禁止事項が述べられているだけで、懲罰はいっさい記載・公表されていない。
しかしコントロールルーム内上層部のごく一部には、どれもが最終的に三つの処分に行き着くような規定が知らされている。
ひとつは、バニッシュ。
ある部分の記憶を消すこと。これは実のところ頻繁に行われている。
もうひとつは、リスタート。
これは全ての記憶を消し、新しいアルカディアの用意した記憶を持って再びやり直すこと。
当然、関わった全ての人間にも施される。
そして最後はイレイサー。もっとも重い罰だ。
これは人々の記憶から当人の存在を消すとともに、当人の存在そのものを消す。死刑のような命を絶つものとは違い、始めから存在そのものがなかったことになるのだ。
しかしアルカディア内の住人に対しこのような処置が行われていることは非公開だ。
そのため、アルカディア内法は幾重にも重なっており、巧みに法の合間を縫ってここに行き着く。
三人がここに辿り着いたばかりの頃に浩二が言っていたアルカディアの「矛盾」。これがそれであることは間違いない。
「エリアNW−0417国定公園内 重要保護樹木 GR−O−1の循環機器は、いかなる理由、いかなる役職の者であってもこれをを取り外すことは禁ずる。
また、これを犯した者は処分の対象となる。
処分の内容は、他アルカディア内法に基づく。」
アルカディア内法は、民衆一般向けには存在していない。
なぜならアルカディアには犯罪は存在しないからだ。禁止事項が述べられているだけで、懲罰はいっさい記載・公表されていない。
しかしコントロールルーム内上層部のごく一部には、どれもが最終的に三つの処分に行き着くような規定が知らされている。
ひとつは、バニッシュ。
ある部分の記憶を消すこと。これは実のところ頻繁に行われている。
もうひとつは、リスタート。
これは全ての記憶を消し、新しいアルカディアの用意した記憶を持って再びやり直すこと。
当然、関わった全ての人間にも施される。
そして最後はイレイサー。もっとも重い罰だ。
これは人々の記憶から当人の存在を消すとともに、当人の存在そのものを消す。死刑のような命を絶つものとは違い、始めから存在そのものがなかったことになるのだ。
しかしアルカディア内の住人に対しこのような処置が行われていることは非公開だ。
そのため、アルカディア内法は幾重にも重なっており、巧みに法の合間を縫ってここに行き着く。
三人がここに辿り着いたばかりの頃に浩二が言っていたアルカディアの「矛盾」。これがそれであることは間違いない。