エルドラドステージ
章は自分の能力を恨む。武のような計算高さもない。登のような戦闘能力もない。

ただ、哀しいだけ。
武の虚しさを、登の寂しさを、カラダが痛いくらいに感じてしまうだけ。
どんなに同調しても、2人を癒やすことはできない。

登を抱く時、彼の笑顔の裏まで抱きしめることはできない。


「ちきしょう…ちきしょう…!!」

溢れる涙を堪えきれず立ち尽くす章の背中に、武はそっと手を添えて部屋の外へ促す。


灼熱の太陽の下へ。
果てない戦いのステージへ。
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