愛のカタチ
そして、ラストは100Mダッシュ。


陸上部が使う、あのコースに3人が横一線に並んだ。 

ゴールには、私たち3人が待ち構える。


『よーいスタート!』の掛け声で一斉に走りだした。 


走る…はしる…ハシル……


風を切るように、全力で走るみんなの姿に、胸が熱くなる。 


みんな本気だった。


本気だからこそ、ゲームが盛り上がって面白かった。

あれだけ参加するのを拒んでいたけれど、やり始めたら楽しくて……


ずっと見ていたくなった。   ――みんなのことを。


もしかしたら……
一番はしゃいでいたのは、私かもしれない。


気持ちはすでに、高校時代に戻っていた。 




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