愛のカタチ
高校時代、“おしどりカップル”として名を馳せた百合たち。


誰もが、このままゴールインするだろうと、信じて疑わなかった。


ところが……


卒業から数ヶ月、そんな思いも虚しく、それぞれ別の道を歩んだ。



「ねぇ、なんであの二人、別れたんだろうね?あんなにお似合いなのに……」


「さあな…?いろいろあるんだろう、事情がさ!」


「事情か。そうかもしれないね。ねぇ、賢司はあっちに行かなくていいの?」


「…ん、俺?俺の話は、聞いたって、つまんねぇからいいよ!」


「どうして?」


「みんな知ってるから」


「………」


すぐさま、その気持ちの矛先が、今、目の前にいる自分に向けられていることを悟り、たちまち恥ずかしさが込み上げてきた。 




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