愛のカタチ
―――…!!
振り返ると、ストリート系ファッションを身に纏った諒の姿があった。
「あんたこそ、何?また朝帰りなの?」
「バーカ!姉貴に言われたくねぇよ!俺は、バイトとダンスだし。この不良妻が!」
…ドキッ。
「な、何言ってんのよ!あたしのどこが不良なのよ?こんな品行方正な奥様、どこ探したっていないわよ!」
諒の言葉に敏感に反応してしまい、気が付けば、大声でまくし立てていた。
「何、ムキになってんの?俺のは冗談だけど?
姉貴、同窓会だったんだろう?こんなときぐらいしか、朝帰りできねえもんな!一応、人妻だし…」
「はは……冗談…だよね?あたし、酔っ払ってんのかな?久しぶりに浴びるほど飲んだから」
「へぇー、珍しいね!
でも、すげぇ素面っぽいけど?」
「えっ?…うん…だいぶ醒めたかな?」
極まり悪くなって、玄関に身体を向き直し、鍵穴に差し込んだキーを左に90℃回すと、ガチャリと音を立て、扉が開いた。