愛のカタチ


「俺、心配なんだよ。真理は可愛いから他の奴らが真理のこと、誘惑しないかって気が気じゃなくてさ」



「あのねぇ、そんなことある訳ないし!いい加減やめてくれない?」



最後は、ピシャリと言い放った。 


本当にうんざりしていた。 


同窓会から帰ってきてからというもの、何かにつけ執拗な質問攻めにあって、ホトホト嫌気がさしていた。 



自分だってあの日――


同僚の永井くんと朝までキャバクラで飲んでいたくせに……。 


昼過ぎにマンションへ戻ってみれば、泥酔状態の二人がリビングを陣取り、大の字で寝転んでいた。 


異様な酒臭さが充満する中、鼾の大合唱。


おまけに、エアコンの設定温度が16℃の強風。





外気温との差が、軽く20℃もあった。



寒さと臭いに耐えられなくて窓を全開にすると、「暑いからエアコン止めるなよ!」と、罵声が飛び交い、惨憺たる気持ちに陥った。


そして、今日もこんな感じだ。 



< 172 / 304 >

この作品をシェア

pagetop