愛のカタチ
「うわっ、もうこんな時間。そろそろ帰るわ!」
時計にちらりと目をやると、21時をゆうに過ぎていた。
「ほんと?もっと、ゆっくりしていったらいいのに」
「うん。でも、いいわ!
マンションに帰ってやりたいこともあるし」
「そう?」
やりたいことなど、特にはなかった。
でも、このままここで時間を過ごしていると、帰るのが億劫になるから……。
「じゃ、また来るね!」と、立ち上がった。
「あぁ。今度は、拓也くんも連れて来てくれ!久しぶりに一緒に酒が飲みたいからな。よろしくな」
「うん、わかった。伝えとく。じゃ、おやすみ!」
「あっ!ちょっと待って!忘れ物、忘れ物!」
「えっ?」