愛のカタチ

「うわっ、もうこんな時間。そろそろ帰るわ!」


時計にちらりと目をやると、21時をゆうに過ぎていた。 


「ほんと?もっと、ゆっくりしていったらいいのに」


「うん。でも、いいわ!
マンションに帰ってやりたいこともあるし」


「そう?」


やりたいことなど、特にはなかった。


でも、このままここで時間を過ごしていると、帰るのが億劫になるから……。


「じゃ、また来るね!」と、立ち上がった。 


「あぁ。今度は、拓也くんも連れて来てくれ!久しぶりに一緒に酒が飲みたいからな。よろしくな」


「うん、わかった。伝えとく。じゃ、おやすみ!」


「あっ!ちょっと待って!忘れ物、忘れ物!」



「えっ?」




< 207 / 304 >

この作品をシェア

pagetop