愛のカタチ

「よかった……。出てくれないんじゃないかと思ったから。さっき、電話くれた?」


「えっ……いや、その……」


言い訳の言葉を探して、しどろもどろになってしまう。



「ワンコールで切れたからもしかして…と思ったんだ!
なんとなく真理のような気がしてさ」



―――…!! 



ワンコールにもならないうちに電話を切ったはずなのに……。 


ずっと声を聴きたかったあなたから、こうして電話を掛けてくれるなんて……。


驚きと同時に嬉しくて、言葉にならなかった。



「……真理?」


「いや、その……
この前、百合と木場くんから番号を教えてもらって。
で、今日は、諒が賢司と会ったっていうから、どうしてるかな?と思って思わず掛けちゃった!」


「そっか」




< 217 / 304 >

この作品をシェア

pagetop