愛のカタチ

部屋へ戻ると、拓也はまだ帰っていなかった。


おそらく、今頃、二次会の最中だろう。


気乗りしないとはいえ、いざ、会が始まると、サービス精神旺盛の拓也のことだから、盛り上げ役に徹しているのだろう。


リビングのソファーに身体を沈めると、ふと、さっきまでの楽しい時間が思い出された。


夫婦では感じないようなドキドキとした時間。


こんなふうに、たまには、電話やメールのできる関係になれるといいのだけれど……。 


賢司の存在は、男女の壁を越えた親友のような存在になりつつあった。


でも、これって、浮気になるのかな?


拓也にはないものを賢司に求めているようで、少しだけ心苦しかった。 


でも…… 


お互いに、進むべき道が異なっていることは、明らかだった。 




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