愛のカタチ

「もしかして……
赤ちゃんでも、できた?」


「――えっ?まさか……」


賢司からそんな言葉が出てくるとは思わず、そのあとの言葉が続かなかった。 


「心当たりがあるなら、早めに病院に行った方がいいよ!」


「うん。でも、それはないと思うから」


「そっか」


二人の間を流れる長い沈黙に、息苦しさを感じた。 


賢司が言うように、もし、そうだったら――…。 



でも……


賢司には、知られたくない。 


だって……


そんなことになったら、賢司とこんなふうに話すことはできなくなるだろうから。




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