愛のカタチ
第13章 未来への扉
――10月のある土曜日のこと。
明るい陽射しが差し込むリビングで、拓也と二人、遅めの朝食を摂っているときだった。
「こんなのがあるんだけど」と、テーブルの上に差し出された二枚のチケット。
「何?」
手を伸ばし、間近で見てみると、『Top of TOKYO』の文字と夜景をバックに色とりどりのカクテルが並んでいる。
「どうしたの、これ?」
「もうすぐ、結婚記念日だろう?たまにはホテルでお祝いなんてどうかな、と思って」
「ホテルで?」
「あぁ。広告を出稿してもらった関係で、取引先のホテルの人が、リニューアルしたバーのチケットを譲ってくれたんだ。せっかくだから宿泊でもして、ゆっくり過ごすなんてどう?」
拓也から思ってもみない、サプライズプレゼントだった。