愛のカタチ

「二ヶ月ぶりだけど、真理さん、また一段と綺麗になったんじゃない?」



ティーカップをソーサごと口元に運びながら、義母がまじまじと見つめる。



「いえ、そんなことありません。最近は、徹夜もできなくなっているし、疲れもなかなか取れなくて……」


つぶらな瞳とスッーと通った鼻筋が、拓也に彼女の血が流れていることを教えてくれる。 



息子は母親に、娘は父親に似ると言うが、本当にその通りだと思う。 



義父と義姉とは、顔の輪郭から黒子(ほくろ)の位置まで瓜二つだから。 



それにしても…… 



会うたびに思うことだけれど、義母はとても若々しくて、還暦を迎えているようにはとてもじゃないけど見えない。




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