愛のカタチ

二人で部屋へ引き返そうとしたときだった。 



マナーモードにしていた携帯が、ポケットの中で、ブーブーブー…と震えだした。 


手を入れ、携帯を抜き出し、ディスプレイを確認すると、珍しい人からの着信だった。



「はい、もしもし?」



「真理?元気にしてる?」


「うん、元気だよ。珍しいね。今日はどうしたの?」


「うん。実は、真理に報告があって……」


「報告?」


「うん。驚かないで聞いてね。私たち結婚することが決まったんだ!」


「えっー、結婚!?
よかったじゃん!おめでとう!」


「ありがとう。でも、できちゃった婚だからさ、式は挙げずに籍だけ入れることにしたの」




< 233 / 304 >

この作品をシェア

pagetop