愛のカタチ


諒の話を途中で遮り、台所から二階へと通じる階段を一気に駆け上がった。 


勢いよく部屋のドアを閉め、壁に寄りかかった。


ドクン…ドクン…… 


ドクン…ドクン……


心臓がこれでもかというぐらい音を立て、飛び跳ねた。


居ても立ってもいられない。 


喪服のポケットに手を入れ、携帯電話を取り出すと、電話帳から賢司の名前を探しだした。


その間も、心臓が異常の速さで動き出し、身体に震えを感じた。 


賢司の名前を見付けだし、ゴクンと喉を鳴らすと、画面から目が離せなかった。 



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