愛のカタチ
思えば……
海の近くで生まれ育った子どもの頃は、浜辺の生き物や流れ着いたものを拾って遊んだもの。
でも、大人になるにつれ、日々の暮らしの中で、自然に親しむ機会が少なくなってしまって。
そんな私に、散歩の楽しさを思い出させてくれたのは今、目の前にいる真央だ。
『あっ、お花が咲いてる』
『わぁ、きれいな葉っぱ』
感動を素直に表す真央の低い目線に合わせてみると、身の回りには小さな宝物がいっぱい。
土の香りを感じながら、風に揺れる木々の音を聞きながら。
そんな“なんでもない日常”が愛おしくて。