愛のカタチ
レジを済ませると、エコバッグに商品を詰め、隣のリカーショップに立ち寄った。
高く積み上げられたビールケースから拓也の好みの銘柄を1ケース取り出した。
支払いを済ませ、カートを押しながら店の外に出た。
「暑っ…」
自然と、口から漏れた。
入り口から遠く離れた駐車場。歩くたびに額から汗が流れ落ちる。
ジリジリ…と、アスファルトを照り返す夏の太陽。
加えて、目の前を通り過ぎる車の排気ガス。
外の気温は、いったい何度ぐらいなんだろう。
外回りの拓也もこの時間、足を棒にして歩いているはず。
きっと暑いだろうなぁ……。
少しばかり、拓也に頭が下がった。
車に乗り込むと、高温の車内にうんざりした。熱風の中、ハンドルを握り、家路へと急いだ。